こんにちは、あるまむです。
アメリカでカウンセラーの博士号を勉強している友人が、アメリカの現在の幼児教育方針についてWashington Postの記事をシェアしていました。幼児教育は、母親として気になる分野なので少し調べてみたところ、幼児教育研究者でもありマットデイモンのお母さんでもある方のスピーチでした。
この記事は、マサチューセッツ、ケンブリッジのレズリー大学で30年間に渡り教師に教育論を教えているナンシー・カールソン-ペイジさん(Nancy Carlsson -Paige)がNational Center for Fair and Open TestingからDeborah Meier賞を受賞した際のスピーチを紹介しています。
カールソン-ペイジさんは、Taking Back Childhoodの著者であり、あの俳優のマットデイモンの母親です。ちなみに彼女のもう一人の息子は、彫刻家のKyle Damonさんです。
二人のアーティストを育てた母親であり、幼児教育研究者のカールソン-ペイジさんが、アメリカの幼児教育論を語っています。記事より学んだことをまとめました。
現在のアメリカ幼児教育の問題
Young children starting public pre-K at the age of 4 are expected to learn through “rigorous instruction”
- 昨今のアメリカの幼児教育は、極端なテスト主義になっており、結果として子供にとって最も重要な学びの機会である“遊び”を奪っている。
- 長時間にわたり、静かに座ってドリルをといたり、数を数えたり、字を練習させることは、子供にかかるストレスも大きい。
- 就学前(アメリカではPre-Kやキンダー)での過多のテストにより、子供は”正しい答えを知らないこと”を心配するよう
- とくに教育予算に限りのある低所得地域でその傾向が強く、遊びのない勉強とテスト漬けの環境になっている。逆に裕福なエリアでは、アートやプロジェクトベースのプログラムが提供されている。この格差の真の問題は貧困にある。
いわゆるお勉強ばかり、テストの点をとることばかりに重点をおいた幼児教育の弊害について強く警告しています。もちろん幼稚園によるのでしょうが、アメリカの幼稚園がそういう状況だとは予想外でした。
子供の伸ばすべき本当の能力はテストでは計れない
The most important competencies in young children can’t be tested
- 子供の発達と神経学の長年の研究結果より、子供は主体的に学ぶことが大切ということが明らかになってる。子供は、動いて、実感して、触って、ほかの子供や先生と交わって、創造して発明する。
- 文字を読んだり、数を数えることは表面的なことであり、伸ばしたい子供の能力とは何の関係もない。
- 学業や人生の成功をもたらすのは、自己管理、問題解決、社会的、情緒的発達、想像力、行動力、好奇心、独創力であり、これらはテストで測定できるものではない。
本来は、貧富の格差を埋めるための教育のはずが、貧困エリアでのテスト漬けの教育方法ではさらに学力差が広がりかねない。本来は、生徒の学力向上させるための標準化テストのはずが、幼児教育の観点からはむしろマイナスとなっている。とくにこの二つの点がTwistedのことかなと思いました。
また日本語の関連記事をみつけました。
キャリコネニュース
ナンシー・カールソン-ペイジ氏の研究によると、「英才教育クラス」と「遊びをベースとしたクラス」を比較した結果、早期の英才教育は子どもたちのテストの点数を伸ばしはしたものの、その効果は1~3年後には消え、最終的には逆転するのだそうです。
また他の研究結果によると、英才教育を受けたグループの方が、その後の人生で犯罪を犯す率が高かったとのこと。
幼児教育のあり方について、まったく同感です。幼稚園児に学力テストをして何の意味があるのか?テストでよい点を取らせるために、答えを暗記させることに何の意味があるのか?
ともすれば、親として早めのスタートがその後の人生で有利になるのではと思いがちですが、幼児期は遊びを通じてもっと大切なこと学ぶ時期なんですよね。
親として、どのような教育方針で息子を育てていくのか考えさせられました。
カールソン=ペイジさんのインタビュー記事も興味深かったので、それは次回に紹介します。
今日はここまで。
Common Coreとは?
詳しくはこちら。Common Core Standard
マットデイモンを育てた母親の幼児教育論 その2は、カールソン=ペイジさんのインタビューです。
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