息子が生まれてから仕事を始めようと思ったときに、最初の不安がアメリカの保育園のこと。「息子の保育園(デイケア)をアメリカでいつからどうやって探すの?」
日本のように、「保育園はいれたー」とか「保育園に落ちたー」という話は、アメリカでは聞いたことがないので、日本とアメリカでは保育園事情もぜんぜんちがうはず。
それと気になるのは、アメリカの保育園の料金!いったいいくらなの?
日本とは全く違うアメリカの保育園&幼稚園事情。
自分で保育園を探して初めて知ったアメリカの保育園事情と、アメリカでの保育園探しの経験を紹介します。
この記事では
- アメリカの保育園、kindergarten、preschoolの違い
- アメリカの保育園の種類
- 保育園の探し方
- 保育園を決める時のポイント
- 保育園の費用
- 保育園や幼稚園は何歳から入園できるか
など、アメリカの保育園事情についてまとめました。
日本で大変な思いをしている働くママさん、アメリカの保育園事情はこんな感じですよー!お互い大変ですが頑張りましょう!
今日のトピック
アメリカの保育園(デイケア)、幼稚園(プリスクール)、Kindergartenの違い
アメリカで幼児教育についてのよく聞く、Daycare、Pre-School、Kindergartenという3つの言葉を簡単に説明します。
Daycareは保育園、Pre-Schoolは幼稚園、Kindergartenは小学校の初年度です。
Daycareは保育園
- 日本の保育園に近い
- 専業主婦でも預けることができる(専業か共働きとか一切関係なし!)
- 赤ちゃん(生後6週間や3か月)から小学校の低学年まで
- 小学生は、主に放課後や学校が休みの間に利用する
- フルタイム(週5日)は、一日中預けることができる(6amから6pmとか)
- 半日やパートタイムのプログラムもあり
- プリスクール(幼稚園)のプログラムを持っている保育園が多い(午前中のプリスクールだけ通う子どももいる)
- 学校が休みの期間でも営業している
ネットでアメリカの保育園事情を見ていると、一部で「デイケアではほとんど赤ちゃんのお世話だけで、教育的プログラムはない」という誤解があるようです。
もちろんデイケアにもよりますが、私が見学したデイケアではいろいろなアクティビティをしていました。
多くの保育園が幼稚園(Pre-School)のプログラムを持っていました。
幼児教育のポリシーやプログラムも、保育園選びのポイントです。
Pre-Schoolは日本の幼稚園
- 日本の幼稚園
- 2歳、3歳から5歳のことどもが対象
- 数時間(半日)ほど預けるプログラムが多い(9amから12amとか9amから3pmまで)
- 幼児教育のプログラムがある
- 学校が休みの夏休みや春休みは休みになることが多い
- モンテッソーリなどの特別な幼児教育をする幼稚園もある
教会が提供しているPre-Schoolもあります。
預けたことがないので、実際のプログラムのことはわかりませんが、話を聞いていると日本の幼稚園に近いイメージです。
専業主婦の友人は、子どもは3歳からプリスクールに通わせていました。
Kindergartenは小学校の初年度のこと
- Kindergartenとは、公立の小学校の初年度のことで幼稚園とは別!
- 義務教育の始まりの年(アメリカだと5歳)
- 日本では幼稚園の年長さんにあたる
日本の英語の授業でKindergartenは幼稚園と教えられた人も多いと思いますが、違います!
小学校の学年の一つで、アメリカでは初年度のことをKindergartenとよびます。
たとえば、私の住んでいる州では、9月15日までに5歳になるこどもが、小学校のKindergartenクラスに入学できます。
州によって、早く入学できたり、できなかったり、9月15日というカットオフの日にちもばらばらです。
詳しいことは、住んでいる州で確認してくださいね。
保育園はデイケアセンターとホームデイケアの2種類
ここからは、デイケア(保育園)の話になります。
デイケアセンター(Day Care Center)保育園
デイケアセンターはいわゆるふつうの保育園のことです。
きちんとした施設で、外の遊び場もあります。赤ちゃん、子供の年齢ごとに部屋が分かれています。
個人宅のデイケア(Family Day Care / Home Day Care)
個人のお宅でしている小規模のデイケアのこと。
一部屋に年齢がばらばらの子供がいることが多い。アトホームな雰囲気で、デイケアセンターよりも料金が安い。
個人宅のデイケアには、正規のライセンスを受けているものと、ライセンスを受けていないデイケアがあります。
ライセンスを受けていないホームデイケアといっても違法ではありません。
ライセンスを受けていない場合は、預かれる子供の数や年齢、子供との関係(親戚の子供とか近所の子供だけなど)の制限があります。
州によって違うので、確認してください。
アメリカのデイケアのライセンスについて
アメリカではデイケアセンター(保育園)の運営にはライセンスが必要です。ただしライセンスの基準は州ごとに違います。
各州ごとのライセンスの条件はDaycare.comで確認できます。
ライセンスを受けている施設では、年に1,2回の審査をパスする必要があるので、やはりライセンスを受けている保育園が安心です。
アメリカの保育園(デイケア)の申し込み方と探し方
日本では「保育園落ちた 日本死ね!」というはてなブログのエントリーが話題になり、その後「保育園落ちたの私だ!」という声とともに、待機児童を減らせ!という活動がもりあがっています。
アメリカでは、待機児童の問題はないですが、保育園の料金が高くて払えない!ということの方が切実です。
日本とはまったく違うアメリカの保育園の申し込み方
アメリカではデイケアの申し込みは直接デイケアに行います。そのデイケアに空きがあれば、いつでも必要なときから子供を預けることができます。
日本のようにお役所に第3希望まで出して抽選とか、4月に0歳児クラスには入れなかったら預けるのが大変!なんてことはないです。
好きなデイケアに自由に申し込みができます。
人気のデイケアでは、ウェイティングリストがあり、数か月待ちになる場合も。職場復帰の予定がはっきりしている人は、妊娠中からデイケアを探しています。
私のように、出産後に就職活動をする場合などは、50ドルから100ドルぐらいのデポジットを払えば、空きポジションを1ヶ月とか期間限定で確保してくれます。
出産後数週間から3ヶ月で仕事復帰をするアメリカでは、デイケアの数も多く待機児童の問題は聞いたことがありません。大都市では事情がちがうかもしれませんが。
日本の保育園の入園までの大変さは、ままはっくさんの「説明しよう。子供を保育園に入れるのはどれくらい大変だったか」を読ませてもらいました。
日本の保育園事情、これはひどい!働くママの問題ではなく、日本社会全体の問題ですよね。
アメリカで保育園の探しかた
アメリカで保育園を探すのは、自分でネットで探すか、口コミが一番です。
- Googleで街の名前とDaycareで検索する
- 近所の人の口コミ
- 州のデイケアを管轄しているサイトから検索する
- Daycare.comで探す(http://daycare.com/listing.html)
- 幼児教育のプロフェッショナル団体から探す
- Angie‘s Listなどの口コミサイトを利用する
アメリカの各州のデイケアを管轄しているサイトを探す
私の住んでいる州では、Department of Human Servicesの中に、ライセンスを受けたデイケアを調べるデータベースがあります。
検索するのであれば、”Licensed Daycare“とすんでいる州で検索すると、それらしいサイトが検索できます。
幼児教育のプロフェッショナル団体から保育園を探す
この団体は、すべての子供に質のよい教育環境を与えることを目的とした、幼児教育のプロフェッショナル団体。
私が見学したデイケアの中でも、このプログラムが認可しているデイケアは、かなり教育環境が整っていました。
ただお値段が他に比べて飛びぬけて高かったので、私は息子を通わせるのをあきらめました。
アメリカの保育園の費用
アメリカの保育園料金は、全額自腹です!
日本のように、世帯収入によって保育料が変わるなんてことはありません!国の補助金もありません!
アメリカでは待機児童の問題はないですが、高い保育園料金を払っています。
日本もアメリカもどちらも大変ですが、本人に働く気があるのに、働けない日本の状況の方が嫌だなと思います。とくに、子供を産んでからの就活がしにくいところ。
保育園の料金は、州によっても住んでいる街でも相場がちがいます。同じ街の中でもバラバラなので、実際に訪問して確認するのが一番です。
基本的には週ごとチェックや銀行引き落としで支払います。また1か月分をまとめて支払ったり、兄弟がいて2人以上預ける場合はディスカウントになることもあります。
0歳児から2歳児までが同じ値段で一番高いです。年齢があがるごとに少しずつ安くなります。
私が探したアメリカの保育園の実際の値段
0-2歳の赤ちゃんをフルタイムで預けた場合週に、$200~$290でした。半日の場合は、一日$20から$30です。
これ、私の住んでいる場所がど田舎だからこの値段です。都市部なら、プラス50ドルぐらいでしょうか。
これを月にすると、1か月のアメリカの保育園料金は$800~$1160です!印象としては、おおきなグループ傘下のデイケアは、ちょっと高めの値段でした。
ちなみに、息子を預けている保育園の料金は、0歳から2歳まで週に$240です。3歳で$230、4歳で$215、5歳で$200です。
1週間5日預けた場合の1週間の値段です。
1か月$960!ほぼ、私の一か月のお給料の半分です。しかも毎年すこしずつ値上がりしてます!!
こどもが2人だと、まったくもって何のために働いているのか分からない状況になりますね、私の場合。はーため息。
アメリカで保育園(デイケア)を選ぶ時のポイント
口コミや場所、値段でだいたいのデイケアのめぼしをつけたら、実際に訪問してみること、デイケアツアーに行ってみて確かめるのが一番です。
デイケアツアーは、事前に電話して予約してから行きます。
デイケアツアーで確認するポイント
- 安全性(入り口のロック、子どもが簡単に外に出ることができるかどうか)
- 保育士の態度、勤務年数(短い人ばかりだと心配)
- 部屋の広さ、雰囲気、清潔さ、掃除の頻度
- 屋外、屋内の遊び場の広さや遊び道具
- 保育園全体の子供の数
- 子どもの表情
- ディレクターの人柄
- プログラムやアクティビティの特長
- 壁にプログラムがはってあったり、子どものアート作品が飾ってあるか
- 食事のメニュー
とにかく、見学に行ったときの直感を信じるのが一番だと思います。雰囲気が合わないと思えば、やめましょう。
私は、6箇所まわって、第2番目の候補にしました。1番候補はウェイティングリストがあり希望のタイミングでは入れませんでした。
正直に言うと、私が選んだデイケアは、可もなく不可もなくという感じ。
オーナーが変わったときは、デイケアを変えようと思い探しなおしましたが、結局またディレクターが変わったのでそのまま通わせています。
保育園でのアクティビティもいろいろあり、追加料金で音楽クラスや体操クラスもあるので、まあいいのかなと。
個人でシッターなどをやとう
アメリカでは、保育園に通わせなくてもベビーシッターやナニーをやとってこどもを見てもらう人も多くいます。私は利用したことはないので簡単に紹介します。
ベビーシッター
自分の家またはシッターの家で、時間で赤ちゃんの面倒をみる。高校生や大学生のバイトやパートが多い。値段は、1時間10ドルから12ドルぐらい。
休日などどうしてもベビーシッターが必要なときは、保育園の元先生にお願いするのはよくあります。
ナニー
自分の家に来てもらい、長時間赤ちゃんや子供の面倒をみてもらう。専属のベビーシッター。
一般的には、毎日か決まった曜日でみてもらいます。ベビーシッターと違い、ナニーは子供の面倒を見るプロフェッショナルとして働いている。
だいたい1時間10ドルから25ドルぐらい。
Au Pair
外国からの移住者で、住み込みで家族の一員として赤ちゃんや子供の面倒をみてもらう。住み込みの部屋を提供して最低賃金以上の給料を払う。
アメリカの保育園事情のまとめ
アメリカの保育園選び、すべての選択権と責任は親にあるということを強くおもいました。もちろん、保育園費用も含めてです。
日本は、認可保育園に子供を入れるまでが大変。一度は入園できたら安心。保育園に落ちた人と受かった人の差が大きく、不公平感が強い。
アメリカは、保育園に入れるのは簡単。入園してから、費用負担が大変。すべて自己責任なので、ある意味平等。
保育園費用が払えなかったら、個人保育園や親せきに預けるなどの選択肢も多い。
こうして比べると、日本とアメリカの保育園事情は、どちらの社会も働くママにやさしいとは思えません。
落ちた人と受かった人の不公平感も、大きな不満になっていると思うので、日本の保育園の個人負担額を少し上げてでも、全体の保育園の数を増やすか保育士さんの数を増やして待機児童を減らす方向へ変わるといいなと思います。
アメリカの保育園&幼稚園事情の参考サイト
- http://www.parents.com/toddlers-preschoolers/childcare/basics/different-types-of-child-care/
- http://www.whattoexpect.com/first-year/daycare
- http://www.zerotothree.org/early-care-education/child-care/choosing-quality-child-care.html?referrer=https://www.google.com/
いつかは実現したい在宅で働くこと。海外やアメリカでできるお小遣い稼ぎや、知っていると得する節約サイトです。
では、今日はここまで。
Have a good day!
有賀透子
日本の待機児童問題ですが、深刻なのは東京などの一部の大都市だけで、あとはそれ程でもないです。引用されている記事は都市部のみの問題です。またご存知かと思いますがアメリカでも場所によりますがデイケアに入るのは中々大変です。中西部の田舎ですがデイケア半年待ちと言われました。西海岸の友人は数年待ちとも。
とことこさん こんにちは。コメントありがとうございます。
主に東京での待機児童の問題を引用していますが、東京で働いていたこともあり今の日本の状況はかなりの問題があるという認識です。記事中にも書いていますが、私の地域でも人気のデイケアは半年から1年待ちと言われましたよ。ただ他のデイケアに預けることができたので、就職が決まって1週間後から働くことができました。
東京のように、子どもが保育園に入れなかったので母親が仕事をあきらめざる得ないという状況まで追い込まれることは、アメリカは少ないのかなという認識です。コメントいただいたように都市部だと違うのかもしれませんね。
私の周りでは、むしろ3人分のデイケア代が払えないので、上の子が小学校に入るまで父親か母親が仕事を辞めたという話はちらほら聞きます。これも、アメリカといえども地域によっていろいろなんでしょうけど。
そんなことないです。
アメリカでも都市では子供一人につき大卒初任給並の保育料がぶっとびます。二人子供がいれば中堅キャリア組のお給料が飛びます。アメリカでも地域によってはキャリアを一旦停止されることに追い込まれる方も多いのが実情です。
ゆきさん
そうなんですね。私の認識不足です。
特にアメリカの都市部ではデイケアじたいはあるけれど、子ども2人以上になるとデイケア代の負担が大きくて、一度キャリアから離れる人も多いんですね。
アメリカだとブランク後の再就職の際に年齢的に制限されにくいのが、日本よりも少しよいところでしょうか。
大分間が空いてしまいすみません。
地方都市で働いていましたが待機児童の問題は殆ど聞いたことがありません。待機児童というのは、国の無策というよりは東京など大都市に人口が集中しすぎていることが原因と思われます。正直地方の保育園はガラガラです。
1000$超えない地域が羨ましい。。。
そんな地域があるのですね。
西海岸の中都市に住んでいますが倍します。
相場は1800$/MO per childですね。
チェーン系だと一人預けるのに$2000超えます。
この値段で子供が二人いると何のために働くのかがわからなくなります。(920$ももちろん随分高いですが。。。)
ゆきさん
こんにちは。コメントありがとうございます。
特に2歳未満の保育園料は高いですよね。それにしても相場が$1800!は高いですね。特に西海岸、東海岸はお給料の設定も高めですが、物価全体がそもそも高いですよね。家にしろ何にしろ。
たびたびすみません。
過去にコメントさせていただいたのは、引用された記事にある日本の保育園事情に偏りがありすぎる(しつこいようですが東京都内とそのほかの地域では全然違いますので・・)ので、特に日本で子育てされたことのない方に誤解が生じる恐れがあるかな、という理由からです。
アメリカの保育園事情については大変参考になりました。有難うございます。
これからもがんばってください。
とことこさん
こんにちは。コメントへの返信ありがとうございます。返信が遅れてごめんなさい。風邪をひいていたうえ、ブログがトラブっていたので返信が遅くなりました。
日本もアメリカも、保育園事情は地域によって状況はそれぞれですよね。東京の問題は目立ちますが、それがすべてではないですし。かといって、問題がないわけでもない。日本もアメリカも、働く母親に厳しい状況だと思います。
またブログに遊びに来てくださいね。これからもよろしくお願いします。
透子