【アメリカで働くには】日本の理系大学院卒、コネなしPh.D.なし、ブランク10年以上で米企業の研究員に就職できた理由

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理系の海外就職、アメリカで働く方法、大学院の海外就職

理系の海外就職について書きますが、ぜんぜんカッコいい話ではありません。

アメリカ企業の理系研究職につきました!と聞くと、どういう経歴を想像しますか?

日本の大学か大学院をでて、アメリカの大学院で博士をとったとか。日本で博士をとってアメリカにポスドクとして研究留学、それからアメリカ企業に就職にしたとかでしょうか?

私は博士を持っていません。今回の話は修士・マスターでのアメリカ企業の研究職への就職です。

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研究実績ゼロ、大学院での研究分野は無関係、ブランク10年以上でアメリカで研究員になった方法

私の学歴は、日本で修士をとって、博士課程は退学です。

その後文系就職をして商社で営業、マーケティング。渡米後はESLから始めて、コミカレ卒業。派遣社員で2年働いて、このたびようやく正社員のオファーをもらいました。研究の現場を離れて12,13年はたっています。

もちろん私の研究者としての実績はゼロ。

今までに論文なし、遺伝子やたんぱく質を解析するという以外に大学院での研究テーマと今の会社の仕事は何の共通点もありません。

それでも、アメリカ企業にコネなし、ブランク10年以上のアラフォーで研究員として就職できた理由を振り返ってみたいと思います。

ちなみに今回、採用が決まったのは、先日面接を受けたチームではなく今の所属チームです。どうやら、いろいろな大人の事情があり予算が通ったので、無事に採用となりました。めでたしめでたし!

アメリカ企業での研究員としての面接の様子はこちら>>アメリカ企業で就職面接!理系・バイオ系の研究職就職・転職の面接の様子をレポートします。

派遣社員(テクニシャン)やポスドクから始める

アメリカでコネなし、アメリカでの学歴なしでは、よほどの実績がない限りまともに就職するのは難しいです。

このアメリカの新卒就活の記事でも書きましたが、アメリカの大学生ですら正社員になるのに数年書かかります。

まして外国人の私の就職が厳しいのは当たり前。

とにかくアメリカで仕事の実績をつくるには、始めやすいところに就職するのが一番早い。

私のようにPh.Dを持っていなければ、派遣社員からはじめる。もしPh.Dを持っていれば、企業のポスドクから始める。

私の会社にも、大学の研究員からポスドクになって30台後半の女性もいます。

派遣社員やポスドクから正社員というルートは一般的です。

やみくもに派遣社員を狙うのではなく、「自分のやりたい仕事や職業と同じ分野の派遣社員」として働くこと。アメリカで将来正社員になりたい会社の派遣社員になること。

派遣やポスドクでアメリカ企業に就職したらやること

派遣やポスドクでアメリカ企業に就職したら

  • 実績をつくる
  • 社内にコネをつくる
  • 信用されるようになる
  • 自分の実力を存分に発揮
  • 社内(外)の求人情報をチェックする

この人を正社員にしたい!一緒に働きたいと思ってもらえるように働く。

実績ができたら正社員として就活を本格化する

3か月から6か月ぐらい働いて実績と信頼を得られたら、社内の空きポジションに応募する。

私の場合は「社内で正社員のポジションを探している」と上司に伝え、かなり協力を得てました。

社内の別のチームへの応募の場合は面接があり、他の社内外の人と競合することもあれば、個人的に引き抜かれる場合もあります。

正社員への雇用は、その会社の予算や業績などタイミングと運です。

私は2年も派遣社員をしましたが、タイミングあえば半年から1年後に正社員になった人もいます。

もちろん派遣社員の時に他社への就職活動も並行していました。が、うまくいかなかったです。他の派遣さんの中には、他社の正社員へ転職した人もいました。

派遣社員として実績を作って、正社員へとステップアップ転職する。アメリカでは転職が当たり前なのもうなずけますよね。

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アメリカ企業の就職に役立った日本の理系大学院で身につけたこと

大学院の修士号の学位

とにかく日本の大学で学位をとっていたこと。日本の大学院の学位はそのままアメリカでも通用します。

アメリカは学歴社会なので、大学院の学位があるかないかで、就職するときのスタート地点が違います。出身大学は関係なく、どの分野で何の学位をもっているかが重要です。

面接のときの記事にも書きましたが、もし修士の学位がなければ、Research Associateのポジションにしか応募できません。修士の学位があれば、Senior Research AssociateとResearch Associateの両方に応募できます。

Research AssociateとSenior Research Associateでは、お給料が$10Kから$20K違いますから!しかもResearch AssociateからSenior Research Associateへの昇格は最短でも5年はかかります。

日本でとった学位がそのまま役にたったので、大昔にとった学位とはいえ修士号を持っていてよかったと思います。昔取った杵柄とはこのことですね。

大学院での豊富な失敗体験の蓄積は無駄じゃなかった

日本で大学院生をしていたころは、朝から晩まで毎日、毎日、実験していました。土日も少なくてもどちらかは研究室に行っていましたし。今から思えば、よくもまああんなに実験していたものだと思います。

これだけ実験していたのは、ようは実験が下手だったから。

一つの実験に対して考えられる失敗は全部やったと思うぐらいです。小さいことだと、サンプルの順番間違いから試薬の濃度間違い、入れ間違いなどなど。恥ずかしくて書けないことまで。

もちろん失敗するたびにやり直し。

そのうち「どうやったら失敗しなくなるか?」「どういう時に失敗しやすいか?」「実験がうまくいかなかった時に次にどうするか」が分かってきました。

大学院での失敗体験の豊富な蓄積のおかげで、今は失敗しません!となればいいのですが、そんなことはありません。今でも失敗したり、うまくいかない実験はあります。

ただ失敗実験の豊富な蓄積があると、

  • ミスをしない実験のノウハウがある
  • 早い段階でミスに気が付く
  • ミスを修正する方法が分かる
  • うまくいかなかった時に次にどういう実験が必要かわかる
  • やり直しか、少しの手直しで実験継続かの判断ができる
  • 他の人の実験の小さい間違いにもよく気が付く

といった、ミスを防ぐ方法から、失敗したときの対処、うまくいかない実験へのトラブルシューティングができます。

例えば上司に実験結果を報告してディスカッションするときも「この実験うまくいきませんでした。次どうしましょう?」ではなく「うまくいかなかった原因はこれこれで、次はこういう実験をしたら改善できると思います」と提案できます。

上司の指導に対しても「ここのところは、ちょっと難しいと思います。こっちの方法の方が確実ですよ」とか。

上司の指示の通りの実験だけをしていたら、正社員の今のポジションへの採用はなかったと思います。

また大学院でしていたぐらいの失敗を会社で続けていたら、間違いなく派遣社員のままか、悪ければクビになっているでしょう。

大学院時代に多くの失敗実験を経験していたことが、こんな形で役に立つとは思いもよりませんでした。

博士号を単位取得退学したという挫折経験

私は論文を書けずに博士課程を3年して大学院をさりました。博士課程を退学ですね。

論文が書けなかった理由は、国際学会でポスター発表したらデータをコピーされて先に発表されたとか、その後どうしていいのか分からなくて諦めてしまったというところです。

ようは研究を続けることに嫌気がさした。

研究現場には二度と戻るまいと心に決めて文系就職しました。

でも、いま振り返ると、ひょっとしたら私は答えに近いところまでは行っていたかもしれない。あのまま続けていれば、もう一歩踏み込んだ結果が出たかもしれない。という思いがあります。

博士課程を退学したことは、途中であきらめてしまったという苦い想いと若干の後悔になっています。

だからこそ、今では簡単には諦めない、結果を出すまで諦めない。というマインドセットで実験しています。

おかげで、アメリカ人の研究員がこぞって失敗していた実験のプロトコルの改良に成功。派遣社員でありながら研究に貢献したとして表彰されました。

ちなみにこの時の報奨金$500は、このブログのサーバー借りたり、ドメインとったり、本を買ったりとまるまるブログに投資しました(笑)。

若い時の挫折経験は悪くない。

だいたい挫折や失敗に対して免疫がついてますから、少々のことでは凹みませんし。

挫折や失敗を生かすのは自分次第です。

海外就職。アメリカ就職、理系の海外就職

その他の基本的なスキルで海外就職に役に立っていること

パソコン、エクセル、ワード、パワポなどの基本的なパソコンスキル。大学院の論文を書いたり発表をしたりする過程で身に就くこれらの事。

実験ノートやサンプルの管理の仕方。これ、実験の基本ですがかなり重要です。複数人でプロジェクトを管理したり、他の人に引き継ぎをすることが多くあります。

記録をとっておくこと、サンプルの管理方法、ラベルの仕方など基本的なことですが、これがきっちりできているかどうかは実験能力の一つとして見られます。

身に着けておけばよかったということ

統計処理・データ解析。これからますます必要になると思います。高校の時からもっとまじめに統計学を学んでおけばよかったと思います。

英語力。今でも苦労しているので、英語力はあればあるだけ良いですね。ちなみに、本格的にアメリカで就職活動をした際には、プロのレジュメライターのサービスを利用しました。ESLもかよいましたし、TOEFL対策とGRE対策でも英語力の基礎がついたと思います。

ビジネス英語はオンラインコースで勉強中です。

正直に言います。より上のポジションを狙うなら、一度はプロに頼んだほうがいいです。自分で書いたレジュメとプロのレジュメは見栄えが全然違いました。

アメリカ企業に研究員として就職するまとめ

大学院生の当時は「こんなことしていて、将来なにかのやくにたつの?」とほとんどわかっていませんでしたが、振り返れば日本の大学院で学んだことは私がアメリカ企業で正社員として就職するうえで必要なことでした。

失敗ばかりの大学院生活、博士課程は途中で退学してしまったという負けた感。今までネガティブだと思っていたことが、10年以上たってポジティブに変わりました。

今の大学院生に伝えたいこと

私の場合は、大学院生の時にアメリカ企業で研究職をしようと思っていたわけでなく、流れ着いて場所がここだっただけです。

それでも、日本の大学院で受けた教育はアメリカ企業でも通用するレベルだと自信をもって今の大学院生に伝えたい。

研究できる能力を高めておけば、応用はいくらでもききます。大学院での研究内容にとらわれて就職先を限定してチャンスを小さくする必要は全くない。

研究分野をかえるというのは、その気があれば意外とできるもの。海外就職もその気になればできるもの。

今いる研究室の外にある可能性に気が付いてほしいと思います。

思い返せば失敗経験ばっかり、中途半端な結果ばかりだとしても、若い時のひととき本気で夢中になったことは無駄にはならないなあとしみじみしているアラフォーの独り言でした。

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緊張しまくりだった就職面接レポートです。

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アメリカ就職を考える時にはお給料の相場と生活費の相場も気になりますよね。

今日はここまで。では!
Have a good day!

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